2007/9/20 (木曜日)
釜定では、普段使いの鉄器が多いですが、もちろん高級品の茶の湯釜も
作っておられます。

店内には、扉を別にして、茶の湯釜のコーナーがあり、普段は使えないぐらい
高級な釜がいくつも並んでいます。

扁陵釜

縦筋釜

四方切合せ釜 デザイナー内田繁氏との合作です。
江戸時代、茶道で使われていた高級品の茶の湯釜を小ぶりにし、
そそぎ口と鉉(つる=取っ手)を付けたら、急速に民衆の間に
広がっていきました。それが、鉄瓶の原点です。
鉄瓶の特長は
ヾ蔽韻某佑離ラダに相性のいい鉄分を補給できる
▲ルキなど水道水の臭気を取りのぞく
N笋瓩砲い
“鉄は、土に帰る。”
つまり、鉄という素材は、サビて(酸化)腐食され、長い時間をかけて
薄くなり、いずれはなくなってしまう、という意味です。
それは、自然の姿であり、環境にやさしい、とも言えます。
しかし、お手入れ次第で、数百年もお使いいただけるものです。
釜定の鉄瓶は、独自の配合による鉄を用い、防錆塗料ではなく、
“焼きぬき”という作業によって、サビ止めをしてあります。
仕上げの工程で、炭火の中に投じ、焼いて皮膜を作り、サビを
できにくくする作業です。
まったくサビない鉄瓶は、この世に存在しませんし、多少のサビは、
気にせず使ってください。
以下、長持ちするための使い方とお手入れのコツをご紹介します。
■ならし期間
“湯あか”をつけることで、内部がコーティングされます。
毎日使って、2、3週間かかります。
。院■臆鷽紊鯑れ、内部のホコリを洗い流します。
⊃紊蕨司目から始めます。
使用後は、余熱か弱火にかけて、乾燥させてください。
て睇瑤蓮⊆蠅膿┐譴燭蝓▲織錺慧で洗わないでください。
皮膜が破損します。
褐色の斑点や模様が現れますが、きちんとコーティングされている
証拠ですので、ご安心ください。
■ふだんのお手入れ
ー絏个濃藩僂靴討ださい。
外部の水分は、ふきんで押さえるように拭いてください。
F睇瑤凌緤は、乾燥させてください。
ど縮未麓燭濃転紊欧討△襪里如▲織錺靴篝剤を使わないでください。
ド通しのよいところに保管し、月一度は使用してください。
■こんなときは?
/紊鮗里橡困譴
ならし期間の最初から始めてください。
空だきをしてしまった
ならし期間の最初から始めてください。水が濁る場合、工房で
修理してもらいます。
D譴薄くなった、穴があいた、鉉が取れた
工房で修理すれば、再度お使いいただけます。
では、驚くほど甘美な水を召し上がってください。
>>お買い物はこちら
2007/9/11 (火曜日)

NHKの朝の連ドラ「どんど晴れ」に職人が登場し、最近話題の南部鉄器。
健康を気づかう女性の間では、ブームとは関係なく、数年前より鉄瓶人気が
高まっています。
鉄瓶で沸かしたお湯には、鉄分がほどよく溶けだし、コーヒー、紅茶、緑茶、
赤ちゃんのミルク用に使うと、味をまろやかにしてくれると同時に鉄分が
補給できるからです。しかも、その鉄分は、いずれの食品中の鉄よりも
体に吸収しやすい「二価鉄」であるというから、言うことありません。
現代人は鉄分不足といわれ、女性や成長期の子供は積極的な鉄分摂取が
必要です。日本の伝統を感じながら鉄瓶で鉄分を補給するのも、大人の
楽しみ方ではないかと思います。

ちょうど2年前のいまごろ、名古屋に転勤していたときに、新幹線を乗り継いで、
南部鉄器の老舗『釜定』の宮さんに会いに、岩手県盛岡へ行きました。
岩手県といえば、南部鉄器以外に、藤原氏ゆかりの中尊寺や、名物のわんこ
そばや盛岡冷麺など、また宮沢賢治の出身地としても知られています。
さすがは城下町の面影を残す街、盛岡。駅から出てすぐ、北東北の凛とした
雰囲気が漂っていたのを今でも覚えています。

創業者の「定吉」より一字とって命名された『釜定』は、江戸時代は商店街
だったという紺屋町(こんやちょう)に大きな商家造りの工房を構えています。
白壁に瓦屋根、そして伝統を感じさせる個性的な和柄の暖簾が、なんとも素敵で
ノスタルジックなたたずまいを醸し出していました。

入り口に置かれた看板には、ローマ字で“KAMASADA”。クールです。

釜定は、茶釜から鉄瓶だけでなく、花器、灰皿、鍋、飯釜、フライパンなど、生活に関する
あらゆる鉄器を手がけています。
国内外で人気高い宮さんの鉄器は、そのお人柄同様、素朴でシンプルな中にも、
飽きのこないモダンなデザインが特徴で、多くの人を惹きつけます。


次は、店舗の裏手にある釜定の心臓部、作業場を覗かせてもらいました。
表からはいっさい見れませんが、かなり広い作業場が広がっています。
薄暗い建物の床は砂だらけで、隅には鉄を溶かす炉があり、壁際には
次の出番を待っている鉄を固めるための鋳型が何十個も積み重ねられ、
また出荷前の最終仕上げ中の鉄器たちも置いてあり、緊張感が漂っています。
ここは、プロの聖域です。

鉄と職人との真剣勝負。
黒いのに真っ黒じゃない渋い色、鉄なのにデザインがモダンでやさしく柔和な雰囲気。
特に鉄瓶は、伝統技法により40もの工程を経て、一個一個手作りで作られるため、
職人・宮さんの心がこもった作品ばかりです。
鉄と砂と火からモノを創り出す仕事。ぜひ後世まで引き継いでいただきたいと思います。
次回は、鉄瓶の使い方やケアの仕方をご紹介します。