“モダンな日本の伝統を、東京から世界の都市へ”

[布・織物] カテゴリー

2008/7/15 (火曜日)

絞り 『片山文三郎商店』

伝統技法の『絞り』は、布をつまんで縫い縮めたり、糸で巻いたり、板などで
圧迫したりしてできた皺で模様を創りだす、日本最古の染色技法。
100種類以上もの技法が編み出されるほど発展し、世界に誇る着物文化の
一翼を担ってきました。

英語で“タイダイ(tie-dye)”と呼ばれ、日本のそれとは技術的に比較になり
ませんが、アフリカ、中央アジア、ペルーなど世界中で見ることができます。
ちなみに、70年代サンフランシスコを中心に流行した世界的なムーブメント
“ヒッピー”のお決まりファッションは“タイダイ”でした。

紀元前5世紀のインドで発祥した『絞り』は、7世紀頃に中国から日本へ伝わり、
古くは日本書紀に、ほかに万葉集、枕草子、源氏物語など日本を代表する
書物にも登場しています。また正倉院や法隆寺にも作品が保存されていると
いう事実が、その歴史の長さを物語っています。

高度な技術と、気の遠くなるような手間と根気が必要とされる、その伝統工芸は、
後継者が育たず、今では日本各地にあった産地も産業の衰退によって少なくなり、
京都の「京鹿の子絞り」と名古屋の「有松鳴海絞り」が二大産地となっています。

今回ご紹介する『片山文三郎商店』は、大正5年創業の絞り染め製品専門店で、
絞り呉服以外に洋服、スカーフ、タペストリーなど、現代の生活に合う商品を
数多く企画製造しています。
京都烏丸通りから蛸薬師通りを入ってすぐにある、昔ながらの佇まいのする
店舗では、入り口の『絞り』タペストリーが風で涼しげに揺れています。

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このテーブルランプは、フランスはパリで毎年開催される世界最大級の国際
見本市“メゾン・エ・オブジェ”に出展されたもので、『絞り』によって生まれた
ツノのような造形美がひときわ異彩を放っています。

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シェードを外すとその下は和紙製テーブルランプとなっていますが、実は岐阜の
林工芸が手がけた美濃和紙ランプです。シェードの無数の小さな陰影によって、
和紙のみの場合よりも明暗がはっきりと表現され、なんとも優しい光を放つ
独特な雰囲気の照明となっています。

シェードだけでなくランプ部分も技術確かなメーカーによって作られているので、
ある意味コラボレーション商品と言えます。

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こちらは、『片山文三郎商店』のスカーフです。

米国のメジャーな男性ファッション誌『GQ』で、男性のポケットチーフとしての
使用方法が紹介されました。

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京都『片山文三郎商店』は、世界のアパレル業界も注目する京都ブランドです。

2008/7/1 (火曜日)

西陣織 『細尾』

室町中期(1467年)の“応仁の乱”で、西軍が本陣を置いたことから
京都市の北西部一帯は「西陣」と呼ばれるようになり、その地域で織られる
着物は「西陣織」と呼ばれるようになりました。
しかし、最高級着物として世界的に有名な京都ブランド「西陣織」は、
その技法一つとってもいくつもあり、様々なタイプの着物が存在します。

「金襴緞子の帯しめながら、花嫁御寮はなぜ泣くのだろ」と童謡「花嫁人形」
にも唄われた『金襴』や『緞子(どんす)』、「故郷に錦を飾る」の『錦』、
11代将軍徳川家斉が好んだ『お召し織り』、ほかに『ビロード織り』など、
現在国に認められた西陣織は12種類もあります。

中国の技術のみならず、明治に入るとフランスに人材を派遣し、いち早く
『ジャカード織物』の技術を取り入れ、進化への努力を怠らなかった西陣。
世界の先進技術によって、西陣の織物技術が近代化してきたという歴史
背景は見逃せません。

今回ご紹介する『細尾』は、江戸元禄期まで歴史をさかのぼる老舗西陣織
メーカーです。イタリア人デザイナーとのコラボレーションによって商品開発
するなど、“伝統”を守りながら新しい“伝統”を生み出そうと挑戦を続けて
いらっしゃいます。

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京の雅を感じさせるこのクッションは、西陣織の中でも錦織りの技法に
よるものですが、特筆すべき点は“手引き箔(てびきはく)”という技術を
用いていることです。

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“手引き箔”とは、金箔や銀箔を和紙に貼り付け、表面を焼き、それを裁断
して極細の糸状にしたものを言います。裁断するプロセス以外は、すべて
熟練の職人さんが一つひとつ手で仕上げています。
その糸を手で織り上げると、何とも上品で美しい生地が生まれ、美しい
絵柄が描けるというわけです。

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もともと上質な着物製品を生み出せる技術力があるからこそ、こういった
アイテムを手がけることができるのですね。

細尾』の職人芸が生み出すクッションは、一見派手に見えますが、和でも
洋でもアジアンスタイルでも、ソファのアクセントとしてお使いいただけます。

ちなみに撥水加工が施されているので、汚れの心配がありません。